明治5年(1872年)創業。日本人のための靴を作り続けている、日本最古のシューメーカー
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今回ご紹介するデザインは、

フルブローグ



「フルブローグ」というデザイン


この靴を履けなければ男ではない。この靴を作れなければ靴屋ではない。

靴屋として、このデザインをラインナップに加えないわけにはいかない、それがフルブローグです。

甲の部分を仕立てる際に、最も職人の手間がかかるフルブローグ。手間がかかる故に、職人の技量がはっきりと現れます。


7ピースを緻密に組み合わせていく




甲の部分は7ピースの革を縫い合わせて作られ、その1ピース1ピースにブローグ(穴飾り)が施されます。

多くのピースを組み合わせるため、靴型の立体を再現しやすい部分もあります。当然、革の裁断も、緻密に計算されたパターンに基づいて行われます。

けれども反対に、それぞれのピースを縫い合わせる際に少しでも歪んでしまえば、緻密に計算された立体の形状が崩れてしまうことを意味します。

わずかな歪みが靴として命取りになるうえに、それが7ピースあるということ。

生産の効率を考えれば、大量生産には向かない靴であると言えます。


質実剛健な、紳士と靴屋の在り方を体現する靴




この靴は昔、アイルランドやスコットランドで歩行用の靴として誕生しました。

水はけをよくするために施した穴を飾りとして残し、その質実剛健な佇まいから英国調の紳士靴として認められるものとなりました。

その質実剛健さと、仕立てるのにかかる手間を表現するのに、かつて

“この靴を履けなくては男ではない。この靴を作れなければ靴屋ではない。”

と言われたといいます。

紳士の在り方と、靴屋の在り方。どちらも言い得ている表現ではないでしょうか。


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